ボウリングで思ったところに投げるというのは、一番、基本的で本質的な課題だと思う。似ている課題としてフッキングポイント(ボールが曲がるところ)に出ていかないというのがあるが、これは、レーンのオイル状態の影響もあるので、その見極めも必要になる。
コントロールをつける、そして再現性の高い投球をするにはどうするかというコツについて紹介する。
コントロールよく投げるポイント
ポイントは3つある。
- 無駄な力を入れずにスイングする
- 助走とタイミングを統一する
- 体の上下運動をなるべくしないようにする
順番に解説する。
1.無駄な力を入れずにスイングする
たぶん、これが一番、難しい。
よく脱力スイングとか言われるものでもある。しかし、本当に脱力すると、ボールはテイクバックするときに落っこちてしまうので、正確に表現すると無駄な力を入れないという方が近い。
人によってどこで力が入っているのか異なるが、一番、ポイントとなるのはテイクバックだと思う。ボールを後ろに力で引き上げてしまいがちで、力が入っていると、力の入れ具合はブレがでてしまうので、左右のバラツキがでてしまう一番の理由がここにある。
投げたい方向に体を向けて、自然に振り上げて振り下ろせば、スイング軌道がいつも一定になる。もし、その状態で、ねらったところにボールがいかなければ、ねらっている位置を修正する。頭で思っているねらい位置が間違っていて、自然に投げたときの位置が正しいので、例えば、ねらっている位置よりも左にボールが出ていたら、次からは、ねらう位置を少し右側にする。いつも本当に落としたい位置よりも少し右側をねって投げれば、ねらい位置にコントールできる。
脱力スイングの具体的なやり方としては、ボールを構えてプッシュアウェイしたら左手の支えをパッと離す。そうすると、重力でボールは下に落下する。そのときに腕をしっかり伸ばして、そのまま肩を支点にボールが自然に後ろにあがっていく状態を作る。ボールが落ちないように、手のひら(指)に力が入っていてもよい。ポイントは腕を伸ばすというところにある。これを意識的にやる。
2.助走のタイミングを統一する
ボールをテイクバックした後が重要になる。ボールを前に向かって力でスイングしてはいけない。ボールが後ろから落ちてくるスピードにあわせて、助走の最後のステップをしていく。4歩助走であれば、4歩目のスライドをするタイミングを、このポイントに常にあわせる。
助走は、1歩目はゆっくりと幅を狭くしてボールをプッシュアウェアして、2歩目もゆっくりとボールが落ちてくるラインをジャマしないように、1歩目の足の前に出す。
そして3歩目は、短く幅を狭く前に出して、ボールがトップから落ちてくるタイミングで、4歩目をしっかり前方にスライドして、ボールの落下速度にあわせて、重心移動して、ボールを前に押し出す。
このボールのスイングスピード(力でなく自然に運動させたときのスピード)と助走のスピードがあった状態を一定にすることで、ボールに伝わる力が一定になり、安定する。
このコツは、ボールの回転をしっかりと、安定させる上でも重要なポイントになる。
3.体の上下運動をなるべくしない
よく言われているのが頭が上下に動かないように気をつけるということ。ボールを構えてから投球するまでの間の頭の上下運動は、基本的には、斜め下方向に向かっていくだけにする。投げる瞬間に、えいっと体が起き上がってしまうことが多く、この上下のブレがボールの落下地点のブレになり、結果、コントロールが安定しない。
たまに、ボールを指でひっかけて回転させるために、ボールのリリースの瞬間に体を上に起き上がらせて、その力も加えた方が、回転数をより増やすことができると言う人もいるが、それは、よくない方法になる。回転数が少しアップするかもしれないが安定した投球ができないデメリットの方がはるかに大きい。また、回転数を上げる方法としても最近の理論では間違いとされている方法になるので、決してそのとおりにやって変なクセがつかないように気をつけてほしい。