ボールを曲げようとすると、手首のアクションなど、リリースの瞬間に気が取られがちになるが、ダウンスイングのスムーズな振り抜きの方が回転に効いてくる。その辺の話を書いてみたい。
どうして力を抜くとボールに回転がかかるのか?
ボールの回転をかけているのは、中指、薬指のフィンガーに、ボールがどのぐらいの時間かかっているかと、手のひらからこぼれ落ちていくときのボール勢いによる。
このフィンガーにかかっている時間をなるべく長くするために、カップリストを作ったりして、ボールの下の奥にフィンガーを入れる。
また、ボールの勢いは、腕と手首をしなるように使うことで、生まれる。
この2つを同時にやっているのが、ローダウンという投法になる。
また、曲げようとするときにリストアクションで手首の回転も加えて勢いを増すようにすると、2つ目の勢いが失われてしまう。力が入っていると、そこでブレーキが一定かかってしまうからになる。
つまり、リストアクションを意識するよりも、ボールの勢いを残してフィンガーに自然にかかる状態の方が回転が多いというのが、自分の印象になる。
力を抜くとは?
力を抜くというのは、余計な力がかかっていない状態という意味になるので、最低限の力は使っている。
余計な力というのは、ボールの勢いを殺してしまうような力になる。一般的には、例えば、ボールを握ってもってしまっているような握力や、バックスイングからひっぱり下ろすような腕の力などが該当する。
リストアクションでひねりを加えるというのもボールの勢いを殺すようなタイミングでやっているとNGとなる。
また、力を入れているのは、どこかというと、自分の感覚だと、プッシュアウェイのタイミングかなと思う。
斜め前に押し出すときに、ボールの位置を正しい場所にもっていき、そこからは、ボールの自然落下にあわせて、バックスイングまで持っていく。
トップで一瞬、ボールが落ちないぐらいの力で握っているが、ボールが落ち始めてダウンスイングが始まったら、また力は使わずに押し出していく。
このときに、スイングとして円運動がスムーズに進むように肩を視点にして、振り切るイメージになる。(ボールを指でひっかき上げるにはNGになるので、そこは注意する)
力を抜くメリット
無理したリストアクションよりも回転が多くかかるのは、先に説明した通りだが、それ以外にも以下のメリットがある。
- 球速があがる
- コントロールの精度があがる
余計な力を使っていないので、スイングの軌道どおりに、スムーズにボールが出ていくので、コントロールも定まるし、余計な力でブレーキもかからないので、速度もアップする。
力を抜く練習方法
自分が力を入れているのかというのは、自分ではわからないと思う。そもそもボールは重いし、それを振って投げているだから、一定の力は使っている。
ちょっと試しにやってみてほしいのは、ゆっくり歩いて、バックスイングまでボールの力で振り上げて、そこから、何も力をいれずに、ボールの落下にあわせてダウンスイングして、ボールを前に転がすという練習になる。
投げようとすると力が入ってしまうので、前に転がすというイメージでこの練習投球を少しやってみてほしい。
そうすると、普段の自分の投球がいかに力を使ってしまっているかが、体感でき、どこをどのぐらい抜くことができるのかがわかる。
ボールば物理法則に従って落下してくるので、その勢いをいかに殺さずに前に送り出すかというのが、本来の力の使い方になる。
また、この力の使い方の前に、回転がいつもより増していることも体感できると思う。そうすると、この回転をキープしたままどうボールを押し出していけばいいのかという力の使い方を練習していくことなる。