回転を多くして、コントールをよくするために理想的なフォームで投げるとき、よく、「手遅れで投げる」という表現をされる。これってどういうこと?というのを書いてみようと思う。
手遅れとは?
ざっくりと解説すると、左足のスライドをして重心移動が始まってから、トップからダウンスイングしてボールを振っている状態を言う。
体が前に行こうとしている中、腕(ボール)が遅れて振られていくので手遅れという表現をしているんだと思う。
反対表現としては手投げというのがある。手(腕)で投げている状態で、左足のスライドと同時にリリースしている状態で、指でひっかきあげようとしているような投げ方になる。
手遅れがよい理由
ボールをまっすぐ前に(スイングラインに沿って)体重移動を使って押し出すことができるので、コントールがよくなる。
そして、力のあるボール、つまりスピードのあるボールを投げることができる。また、結果として、このスイングは、力まず投げることが必要になってくるので、リリース時に余計な力が入らず、ボールに回転がしっかりとかかる。
つまり、安定したコントールと、回転を必要とするならこの手遅れをマスターすることが重要となる。
手遅れの投げ方
ポイントがいくつかあるが、重要なのは以下の2点になる。
- 5歩助走であれば、3歩目を大きく、4歩目を小さくステップする
- スイング中に余計な力を入れず、バックスイングのトップでボールの重さを感じながらダウンスイングに入る
この2点は、助走とスイングのタイミングを、理想的な状態にするということになる。
一般に最初にボウリングをはじめると、助走に比べ手が一緒になる。これは歩いているときに手を振っているときがそうだからだと思う。
一方で、ボウリングの理想的なスイングは、下半身が先行する。上半身のスイングは、ワンテンポ遅くなる。
3歩目を大きくするのは、ボールをバックスイングでトップまであげきるための時間を確保するためになる。ここは力でボールを引き上げるのではなく、ボールが自然に上にあがっていく時間にあわせて3歩目のステップを行う。
最頂点からボールが自然に落下してくるときに4歩目を小さく踏み込んで5歩目のスライドをする。スライド中にボールが落下してき、5歩目をピタッと止めたところで、ボールが自分の横を通過してリリースとなる。
手遅れの練習方法
まず、助走をスイングにあわせるという練習をする。ボールをプッシュアウェイから自然落下してトップまで運ばれてくる時間にあわせて、2歩目、3歩目、4歩目をちょうどよいタイミングになるように、助走をあわせる。
次に、ボールを自然に振るということだけを考える。力いっぱい投げるとか、振り切るとかは一切せずに、ボールの重さにまかせてふわっと振る練習をする。最初はスピードもコントールも気にせず、とにかくトップからダウンスイングで力を入れず、ボールの重さだけを利用して投げる。
最後に、助走(下半身)と上半身をあわせる練習をする。とくに、助走のステップごとにロボットのようにぎこちなくならないように、一連の動作がスムーズにやることを意識して練習する。
タイミングがぴったりあると、力を入れていないのに、力のあるボールが投げれたり、回転がしっかりとかかっていることが体感できると思うので、その感覚を見つけたら、繰返し練習して常にその感覚になるようにタイミングをとるようにする。
まとめ
ボウリングでよく言われる「手遅れ」について詳しく書いてみた。手が遅れてくるのは結果的にそうなっていて、結局は、助走(下半身)の使い方の話でもある。ボウリングは思っている以上に、助走が重要なのである。また、この練習を繰り返してできるようになったと思ってもだんだんと手が早くなってきてしまうものなので、調子が悪いなと思ったら、また、この話を思い出して、力まず投げるという練習をするとよいと思う。
自分も1ヶ月に1回ぐらい忘れてしまっていたりするので、割と意識高くおいているポイントだったりする。特に、スピードをあげようとか、強い回転をかけようという意識があると、力んでしまって、手が先行(腕でなげる)になるので、4歩目は特に意識してもらうとよいと思う。