ボウリングの投球方法のレッスン動画などで、よく「手遅れ」で投げることがよいとか、トップでタメを作って投げる方がよいという話が出てくる。
その手遅れって何?とか、どうしたらできるようになるのかという話を書いてみたい。
手遅れとは
助走のスライドする1歩手前(5歩助走だと4歩目)で、踏み込んでスライドしはじめてから、ボールがトップから落ちてきてスライドがピタッと止まってからリリースされる状態を手遅れという表現をする。
普通に(自然に)歩きながらボールを投げると、だいたい、もうちょっと速くダウンスイングが始まってしまうので、「遅れ」という言葉がくっついたのだと思う。
この手遅れの状態を作ると何がいいかというと、一番は、力強いボールが投げられるということだと思う。体重移動の力を一番効率的にボールに加えようとすると、このような投球になる。
また、スライドしながら、ボールが体の横をまっすぐに通過していくような軌道を描くので、結果的に、リストアクションを加えてボールを押し出している時間が増えて、回転が強くかかるしコントロールもよくなると言われている。
手遅れの投げ方
自分が思うのは、「足速め」で投げればいいだけなのではないかと思う。手が遅れるイメージではなく、助走の足が速めのイメージである。「足速め」というと語呂が悪いので「手遅れ」と言っているのではないかと。
結局、投球動作は、ボールがぶらんぶらんと重力に従って振子運動しているタイミングに助走をあわせるということが基本になる。腕に力を入れてボールを引いたり、押出したりするのはよくない。
そうなると、4歩目から5歩目のスライドを開始するタイミングを、ボールがトップにきたタイミングにあわせるしかない。つまり助走の4歩目を、1,2,3歩目よりも歩幅を狭くして、速く終わるようにすればよい。
ここで、4歩目を速くということで、急ぎ足にする等も不要なことに注意したい。単純に歩幅を狭くすれば、それだけで速くなる。タイミングで言うと、タンタンタンタ、ターンになる。点の前のタが4歩目になる。
このような原理なので、トップでタメを作るというのは、個人的には意識しない方がいいと思っている。バックスイングでボールがトップにきたときに、ふわっと自然落下することを手のひらで感じることは力まないスイングとしては、重要なのだけど、トップで止めるような動作をしてしまったら、そこで力んでしまうためになる。結果的に、タメができているように見えるスイングはOKだけど、自分でタメを作って、手遅れを作ってはNGということになる。
まとめ
自分がボウリングをやっていて、重要に思うことの2つ目が助走になる。1つ目は、サムホール調整になっている。
この助走と体重移動がしっかりできるようなスイングであれば、少なくともコントロールはかなり安定する。そうすると、スペアの精度があがるし、ストライクも連続でとる確率がだいぶあがる。
手遅れの練習というよりは、助走とスイングのテンポをしっかりあわせるような練習をおすすめしたい。そういう練習をしていると、あっ、これが手遅れなのかということが体感できるようになると思う。