ボウリングの助走は、投球フォームの中でもかなり重要な位置にあると思う。そんな重要な助走だけど、どれぐらい練習しているだろうか。自分の経験だと、安定したスコアのためと、ストライクを量産する上で、一番重要なのは助走だと思う。助走は、変動要素が多い割に、あまり注目されていないように思う。1日の中でもスコアにばらつきがあったり、昨日は高スコアがでたのに、今日はどうも調子が悪いというような場合、助走が安定していないことが多いのではないかと思う。
助走の変動要素について、一つずつ、解説してみたい。
助走の歩数
4歩助走が基本と最初に教わる。その後、なんとなくプロを含め5歩が多いなぁと思って、5歩にしてみたりする。
最近だと7歩助走のプロとかも結構いたりする。
投球のフォーム的には、4歩で十分な勢いがつく、5歩、7歩としているのは、最初にちょこちょこと歩いてリズムを作って、残りの4歩でしっかり助走している投げている感じになる。
4歩助走は、右足と右手が同時に前に出す形になるので、静止しているところからえいっと進む感じで、力加減が難しく感じるのである。
助走の歩幅
助走の歩幅はいつも一定だろうか。ファールラインを越えないようにスライドしていると思うので、最後はだいたい同じかもしれない。1歩目、2歩目などいつも同じになっているだろうか。力んでしまって1歩がいつもより大きくでて、タイミングがちょっとずれてしまうとかないだろうか。また、バックスイングも力が入ってしまうと、3歩目がずれてしまうことも多い。
自分は、1,2歩目は小さく、3歩目からバックスイングと連動して長さとスピードを調整して投げている。
助走の向き
立ち位置を決めて狙うスパットを決めて、歩きはじめて、リリースしたときの左足のスライドした場所は、立ち位置から何枚右左にずれているだろうか。それが、立ち位置を変えても同じだけずれているだろうか。
立ち位置を変えても助走している向きが変わってしまうと、ボールの曲がりは想定どおりにはならない。
助走の速度
歩幅とも近い話になるが、一定の速度で助走できているだろうか。また、1,2歩目の速度、4,5歩目の速度で、歩数によってスピードが変わってくるが、特に後半のスライドに向かうスピードは、イメージどおりだろうか。
また、スライドの長さは、適切だろうか。速度が速いときは、少し手前から歩き始めて、スライドも長くなるのが一般的で、その方が力のあるボールが投げられる。
逆に、立ち位置を少し前にして歩き出すと、ファールラインが近いので、意識しなくても歩幅がやや狭くなって、結果、速度もゆっくりになる。
助走速度が変わると当然ボールの速度も変わるので、安定した投球をする上では速度も気をつける必要がある。
助走しているときの上半身の動き
助走と上半身は連動してタイミングよく動いている必要がある。どちらかというと、上半身の動きに助走をあわせるという方が正しい。
これがずれていると力のあるボールが投げられないし、ずれ方が毎回違えば、ボールの行く先も異なり、ストライクは連続でとれない。
さらに、このときに、2つ重要なポイントがある。
- 頭の高さが上下に動かず、下方向だけに動いていること
- 4歩目(スライドの1歩前)で体が沈み込んで、力を前方向に出せていること
投げる瞬間に体が起き上がってしまうというクセのある人は多い。たぶん、ボールに指でひっかきあげるような動作を無意識にしてしまっているのだと思う。上記の2点は、力をボールに伝えつつ、安定した回転をかける上では重要なポイントになる。
まとめ
ボウリングの助走の変動要素について、いろいろ書いてみた。これらを安定してコントールできるようになると、力のあるボールでかつ、コントロールも良くなる。
助走の速度は、体感でしかわからないので、その日の体調とか元気さによって、無意識にばらついていると思う。これを安定させるのは、上半身の動きに連動してか助走することになる。
ボールをプッシュアウェイして自然落下させて、バックスイングするとき、ボールの重さが一緒であれば、常に同じ速度で振られている。この速度にあわせて、助走するということになる。
助走の練習は地味ではあるが、しっかりとしたボールを投げるためには避けられない練習なので、スコアが伸びないなと思ったら、見直してみるとよいと思う。ちなみに、助走に変なクセがついていると、助走だけで1,2ヶ月練習が必要になるというのは、自分の経験でもあったことになる。