前回のテーマの続きになるが、バックスイングを高くしつつ、手前からしっかり転がすということを意識した投球練習をしてきた。
転がすことによって、バックエンドでのボールの曲がりのキレが増して、ストライク率が向上するという結果になった。なぜなのかなど書いてみたい。
キレが増す理由
バックエンドでボールがキレるということは、大きくは3つの理由が考えられる。
- 回転軸の方向がよい
- 回転数が多い
- 手前でボールが失速していない
手前からボールを転がすことによって、この3つの条件が満たしやすくなるというのが、ボールがキレる理由になる。
また、自分が投球していて感じた一番大きい理由は2になるように感じた。理屈的には、投げた(転がせてない)ボールは、3がデメリットとして一番大きく、次が2になる。
ここで回転数が多いと曲がりが大きくなるのか?ということについて、少し触れておきたいと思う。一般的には、曲がりの角度を決めているのは、1(回転軸の方向)とボールのスペックの⊿RG値になる。回転軸がローテーション、チルトが入った状態であれば、⊿RG値にしたがって曲がり幅が決まる。非対象コアのボールであれば、さらにキレが増す。
回転数がどこに効いてくるかというと、ドライゾーンに入ったボールは、1回転するごとに、軸が傾いていく。例えば1回点1度、軸が傾くとすると、5回転だと5度、10回転だと10度傾く。つまり回転数が多ければ、それだけ短時間に軸が傾くので、ボールのキレが出る。
手前から転がすことにより、手のひらからこぼれ落ちるときにフィンガーに十分長い時間、引っかかっているので、多くの回転数が得られ、結果、キレが増すということになる。
次に1(回転軸の方向)の話になるが、回転軸の方向はリリース時の親指の向きで決まってくるので、転がすこととは直接関係がない。一方で投げた(転がせてない)ボールと比較すると、転がすスタイルだと、余計な力が入っていないので、結果、リリースが安定する。いつも同じタイミングでボールがリリースされていくので、回転軸も安定しやすいというメリットがある。
最後に3の話であるが、これは単純で、ボールがドンっと落ちて摩擦が強くでてしまうこともなく、着床から前方向の進む力がありつつ、回転がかかっているので、オイルの上をボールがスムーズにスキッドしていく。その結果、手前でボールが失速することが減る。
キレが増すとストライクが増える理由
大きくは、2つの理由が考えられる。
- 入射角度がでる
- ポケットにヒットした後もボールが進む
ストライクは、3〜6度の入射角度が理想と言われている。ドライゾーンに入った直後にキレよく曲がってくる場合と、少し進みつつ、ゆるやかに曲がってくるのでは、入射角度が前者の方がより、理想の入射角度になるという理由になる。
2は、回転数の多さと、失速していないかという2つの要素で決まる。ボールがポケットに入ったとしても、勢いがないボールだとピンの重さに負けて、右にやや跳ね返えってしまう。この状態だとボールが5番ピンを押せないか、10番ピンが残るような状態になってしまう。
また、回転数が多い状態でピンヒットすると、ピンに対して、運動エネルギーが多く伝わるので、結果、重いボールを投げているような状態に近くなり、ピンアクションが多くでる。
これらによって、キレが増すとストライク率があがるということになる。
まとめ
ボールを転がすスタイルの投球方法は、メリットしかないような内容になる。注意した方がいいと思うことは、1つだけあって、ある程度、スピードが必要という話になる。
あまりに球速がないと、オイルを多くつかったラインであっても、ボールが曲がりすぎてしまう可能性がある。この場合は、回転軸の方向を変えて(縦回転で)投げるとか、方法はあるが、球速と回転数は、バランスがとれているときにストライク率が一番高くなるので、回転数をあげればいいというものではない。
一方で転がしたから回転数があがるという単純なものでもないので、転がすスタイルの投球方法は常にオススメの方法になる。