ボウリングの球速をあげる方法の一つとして、助走のスピードをあげるというのがある。助走のスピードが速ければ、その分の速度がボールにプラスされるので、球速も速くなると考えがちであるが、それだけではない。その辺を書いてみたい。
助走とスイングの関係
助走の1歩1歩の足の運びと、スイング(ボールの位置)は、対応している。
助走を速くすると、必然的にスイングも速くなる。
つまり、スイングスピードが速くなることで、ボールの速度があがるというのが、本当の理屈になる。助走速度分もプラスされてはいるので、さらに速くなっていることも事実ではある。
助走を速くしたときの注意事項
1.腕の振りを速くすると考えない
足の運びと連動させるために、腕の振りを速くするという意識を持ってはいけない。
腕のスイングは、常にボールの重さを利用しただけの振り子スイングをしていることが理想になる。この振り子の運動で、バックスイングのトップにボールがくるときに、助走速度があがっていると、体がボールを前にひっぱる力が働くので、ボールもその分、勢いをつけて落ちてくる。そのため、速度の速いボールが投げられる。
また、通常3歩目の踏み込み中にボールが下にきて、右足で支える形をつくるのであるが、3歩目を速くしすぎると、このタイミング合わなくなってくる。ボールが落下する速度は、常に同じなので、3歩目まではいつもの速度にするか、プッシュアウェイの角度を小さくして、助走速度にあわせてテイクバックに入れるようにする。
2.ボールに体重をしっかり乗せる
助走の重心移動でボールに力を加えられているかがポイントになる。これは、腕の力でボールに力が加わっているわけではないということになる。
少しややここしいが、助走の速度があがると、腕を振る速度も結果的にあがるが、そのスイングの速度に連動して体重移動をして、ボールに力を乗せているので、力強いボールが投げられる。腕だけでなげていたら、速度はあまり、あがらないし精度もでない。
普段の投球(通常速度)でも一緒になるが、4歩目から5歩目のスライド中に、重心を右足から左足に徐々に移動させて、前方方向に重心を移動させつつ、左足がピタッと止まったときに、ボールを前に押し出す意識でリリースすることで、重心移動の力も利用した力強いボールを投げることができる。