最近、プロボウラーの笹田プロが15ポンドのボールから14ポンドに変更したとのことで、一部で話題になっている。男子プロではたいてい15ポンドを投げているし、女子プロでも15ポンドを投げている人が多く、14ポンドだと重さが足りず、ピンアクションが15ポンドよりも劣るというのが通説になっているためである。
14ポンドはピンアクションが弱い?
ボウリングのピンアクションは、物理法則から考えれば、運動エネルギーが高い方がよいので、重さに比例する。そう考えると、同じ球速で投げている場合には、重い方がよく倒れるはずである。
また、ややこしいのは、ピンにも重さがあるというところで、ボールがピンに当たった時にピンの重さによる反作用でボールがやや跳ね返る。ピンとボールの重さの関係でボールの方がより重い方がこの跳ね返りは少ない。9ポンドのボールなどを投げると、ボールがピンにあたってとんでもなく跳ね返ってくるのがわかる。
一般的には、このピンの跳ね返りを抑えることを考えると14ポンド以上が必要と言われている。ボールがピンを押し込んでくれないと、8番ピン方向にボールが進めず、理想的なストライクにならない。
自分は、最初はじめたときは、13ポンドから投げ始めて、途中でピンアクションの足りなさを感じ、14ポンドに変更して、そのまま今に至る。15ポンドにした方がピンアクションがいいよとか、あと1本が倒れるようになるとよく聞いたのだけど、自分の体格や手首への負担を考えると、重すぎるなと思って、14ポンドにしている。
ボウリング仲間は、ほぼ15ポンドを投げているのだけど、14ポンドを投げている自分と比較してあきらかにピンアクションが違うと感じることはない。結局は球速と回転数の影響もあるし、オイルを使って投げられているかの方が影響が大きいと感じる。
14ポンドもありなのでは?
PBAの選手とか体格が日本人とは違う。彼らが軽々と15ポンドを投げているわけだけど、同じ条件で無理して投げない方が結果としてはよいような気がする。
日本人の体格から考えると、14ポンドで投げた方が無理が少ないはずで、そうすると、手首を痛めるとかも減ってくるのではないかと思う。また、軽くなる分、球速があがることが一般的で、ピンアクションはほとんど変わらないのではないかと思う。
唯一、悩ましいのが、ボールのスペックが15ポンドを中心に設計されていそうな点になる。ほとんどのボールで14ポンドと15ポンドのコアは同じものを使っているのだけど、スペックの数値は異なり、14ポンドの方が直進性が高くなってしまう。軽い分、同じコアを使っても数値が変わってしまうことが原因で、おそらく、15ポンドで最適に曲がるようにボールを設計しているので、14ポンドだと、その恩恵が受けにくいというのはあると思う。
ただ、最近のボールだと、スペックも同じというボールが出始めていると聞くし、レイアウトで調整できるとも思うので、14ポンドに変更しようかと考えている人には追い風なように感じる。
まとめ
ボウリングのボールの販売状況をみると、明らかに15ポンドのボールの数が多い。新品で購入するボールは、14ポンドもほぼ必ず販売されているけど、出荷量が少ない印象があり、人気のボールはすぐに売り切れる。そのため、特価セールになっている14ポンドのボールは15ポンドに比べるとやや少ない。
ボウリングを長年やっている高齢の人などは、年齢にあわせて軽くしていった方がよいのではないかと思ったりもする。ボールを軽くすると、最初は感覚がつかみにくいとかも言われるが、450g程度の違いなので、2つを投げ分けるとかをしないと気づかないレベルなのではないかと思う。それで手首が腕の負担が減るのであれば、無理はしない方がよいと思う。